Mixer2-1.2.22をリリースしました。
実はここ数週間で何回かリリースしましたが、まともにアナウンスしていませんでした。最近のリリースではどこをどういじったか、ざっくりまとめておきます。
1. Spring MVCとの組み合わせ方をドキュメントに書きました
Mixer2とSpringMVCと組み合わせたサンプルアプリケーションはもともとあったのですが、 javadocはともかく、文章の形では基本的な説明をまとめて書いてはいなかったので、 Use Mixer2 with Spring MVCというページを公式サイトにつくりました。 なお、もともとほぼ同じことがjavadocにも書いてありましたが、それも少し手直ししました。
※誤解の無いように念のため書いておきますが、Mixer2それ自体は他のライブラリ等への依存性が非常に少ない、独立性の高いxhtmlテンプレートエンジンです。 Webアプリケーションフレームワークと組み合わせて使うのが便利なことは確かですが、 必ずSpringMVCやSAStrutsと組み合わせないと何もできないということは全くありません。
2. Spring MVCでMixer2もJSPも両方使いたくてもうまく動かないのを直しました
公式サイトの説明のように
と書けば、コントローラから返されたview名を使ってMixer2ViewResolverがhtmlテンプレートファイルを見つけられなかった場合には、 そのままInternalResourceViewResolverへ処理が移って、view名に該当するjspが使われる...はずだったのですが、 実際にはMixer2VeiwResolverがhtmlテンプレートを見つけられなかった段階でいきなりFileNotFoundExceptionになってしまっていました。
それではまずいので、ちゃんと次のリゾルバーに処理が移るように直しました。このへんは、SpringMVCのマニュアルにも書かれている通りにしてみた、という感じです。
17.5.2 Chaining ViewResolvers
"The contract of a view resolver specifies that a view resolver can return null to indicate the view could not be found. Not all view resolvers do this ..." (ビューリゾルバーの実装ルールとしては、ビューを見つけられない場合にはnullを返すことができますよ。ただ全部のビューリゾルバーがそうしてるわけじゃなくケースバイケース...)
Spring MVC reference 3.2.xより
ただし、従来の挙動(見つからなければ即座にFileNotFoundException)でよいという人のために、 この機能をオフにする設定方法も用意しておきました。細かいことはMixer2XhtmlViewResolverのjavadocに書いてあります。
3. headタグの中ではremoveById()等が動かないことがあるのを直しました
単純にバグです。
4. 恥ずかしいミススペルを直しました
PathAjusterクラスはクラス名自体の綴りが間違っていることが今頃発覚w。 機能はそのままでPathAdjusterクラスとして作り直しました。 古い方のクラスは@Deprecatedにしておきましたが、こういうので後方互換性を失うのはまずいのでたぶんずっと消さずに残しておくと思います。
5. HTML5でAタグの中のDIVタグ等が消えるのを直しました
Mixer2-jaメーリングリストのほうでもらったバグ報告の対応です。
htmlテンプレートとしてmixer2Engineがロードするとき、テンプレート上のaタグの中にインライン要素(spanとかimgとか)が入ってるのはokだが、 ブロック要素(divとかpとか)が入っているとそれが消えてしまうという現象です。
これはちょっと盲点でした。というのは、html4.xまでの規格では、aタグの中にブロック要素を入れるのはNGなのです。 Mixer2はJAXBを使ってhtml(xhtml)を読み込むので、そういったところも厳格にNG扱いで、該当要素を無かったことにします。 ところが、html5ではaタグの中にブロック要素も入れられるようになりました。 HTML5 の “ブロック・レベル“ リンクというやつです。 Mixer2のhtml5に対する対応の不足、というバグとして対応しました。
ここ数週間のMixer2のエンハンス、ざっくり解説してみました。安心して最新版をご利用ください。今後ともごひいきに!